廃棄物の現状
日本国内で一年間に排出される廃棄物は、4億5千万トンにも上る。
主な廃棄物の種類(平成10年度)
一般廃棄物:年間5千万トン(東京ドーム137杯分)
産業廃棄物:年間4億トン(東京ドーム1100杯分)
産業廃棄物は一般廃棄物の8倍の量
1:産業廃棄物の発生から処理までの流れ
廃棄物には、主に家庭から発生するごみやし尿などの一般廃棄物と工場などの事業活動に伴って発生する燃えがら、廃油、汚泥等の産業廃棄物がある。一般廃棄物については、市町村の、産業廃棄物については事業者の責任で処理することとなっている。
企業が製品を製造・販売すると、廃棄物いわゆるゴミが発生する。これらの廃棄物のうち、燃えがら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック、金属屑、建設廃材等の19種類を産業廃棄物と呼び、排出者が責任を持って処理・処分を行うことになっている(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)。しかし、実際には「静脈産業」と呼ばれる産業廃棄物処理業者が廃棄物の処理・処分を受託し、収集運搬・中間処理・最終処分・再資源化(リサイクル)を行っているのが一般的である。
2:一般廃棄物と産業廃棄物との違い
- 一般廃棄物
- 一般廃棄物とは家庭や事務所、レストランなどから出る生ごみ、紙、ビン、カンなど
- 産業廃棄物
- 産業廃棄物とは法律に定められた産業活動から排出される次の19種類(別に有害物として、特別管理産業廃棄物がある。)燃えがら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、陶磁器くず、鉱さい、建設廃材、動物糞尿、動物の死体、煤塵(ばいじん)
「廃棄部の処理及び清掃に関する法律」により、産業廃棄物の種類を定めている。
<廃棄物の定義>
この法律において「産業廃棄物」とは、次に掲げる廃棄物をいう。
- 事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物
- 輸入された廃棄物(前号に掲げる廃棄物、船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物(政令で定めるものに限る。第十五条の四の三第一項において「航行廃棄物」という。)並びに本邦に入国する者が携帯する廃棄物(政令で定めるものに限る。同項において「携帯廃棄物」という。)を除く。)
3:産業廃棄物の不法投棄等の不適正処理の増加
産業廃棄物については、量的な増大傾向とともに質的多様化を示す一方、不法投棄などの不適正処理、住民の環境汚染に対する不安感などの問題がある。
産業廃棄物の不法投棄のは、年々増加の傾向をたどり、、平成10年度には1273件となり、平成9年度の約1.5倍となっている。不法投棄された廃棄物の量は、それほど変化していないので、1件あたりの不法投棄の量は少なくなってきている。
産業廃棄物の不法投棄のなかで最も多いのは、建築物の解体により発生したがれき類などで、約4割の量を占めている。
4:最終処分場等の産業廃棄物処理施設の深刻な不足
産業廃棄物の再生利用や減量化を図る中間処理施設や、適正処理をするための最終処分場の確保が困難な状況となっている。
大量の廃棄物を処理するために、多くの時間と経費をかけなければならない。さらに、廃棄物処理に伴い発生するダイオキシン類の対策や最終処分場の不足、不法投棄の問題といった課題が生じている。
産業廃棄物の焼却施設や最終処分場を作る場合、許可が必要であるが、新規の許可件数は年々減ってきており、特に平成9年の廃棄物処理法の改正のあとは、許可件数が急激に減少している。このままの状態で、新たな最終処分場が建設されないと、あと数年程度で最終処分場はなくなってしまうと推測される。
このような状況が続くと、国全体の産業経済活動にも支障を及ぼすことが考えられる。

