浜松市沿岸域防潮堤整備・減災と環境保全の浜松モデル

現場視察レポート 浜松市沿岸域防潮堤整備・減災と環境保全の浜松モデル

去る3月2日、公益社団法人静岡県産業廃棄物協会様主催の、浜松市沿岸域防潮堤整備事業視察研修会に参加させて頂きました。今月は、こちらのレポートを特集として取り上げます。

防潮堤の概要

浜松市沿岸域では現在、津波の被害を減災するための「防潮堤」を作っています。浜名湖の今切口東側から天竜川西側までの17.5kmを、沿岸域の海岸防災林内の防潮堤整備に適用性が高い「土堤+CSG」という工法で建設が進められています。CSG工法は、良質な土砂にセメントを加えて固めたCSGを、30cmずつ層を重ねていくものです。

防潮堤の断面モデル

実際にCSG工法で作られた防潮堤に上ってみると、一見踏み固めた土の山に見えるのですが、お借りした金属製のハンマーで叩くと硬い手応えが帰ってきて、確かにコンクリートの一種であることがうかがえました。

コンクリートの手応え

環境への配慮

防潮堤の建設では様々な「周辺環境への取り組み」がなされており、防潮堤=景観・環境軽視というイメージが大きく変わりました。

防潮堤の建設には元々あった防災林を伐採する必要があります。そこでこちらの防潮堤では、CSG部分の両サイドに盛土を行い、ここに元の防災林を植栽することで、建設前の環境に極力近付けるようにしているそうです。

また、CSG工法のメリットとして、建設に対して専用の機械は不要で汎用建設機械がそのまま利用できる点が挙げられます。これにより、地元浜松市の建設業者を積極的に活用することができ、地元への経済的な還元にもつながります。

浜松モデルの全国発信

今回視察を通して、想像以上に環境に配慮されていた防波堤建設現場にとても驚きました。また、この事例は先進事例「浜松モデル」として全国に発信されているとも聞き、納得しました。

この防潮堤により、完全に浸水を防ぐことはできませんが、家屋が倒壊する2mの浸水域を97%減少させ、さらには避難するための時間を稼ぎ、人的被害も抑えられると見ています。被害を抑える事と、周辺環境を破壊しない事、この二つを満たせる浜松モデルは今後の防潮堤建設の中心となっていって欲しいと感じました。