産業廃棄物処理業者とパートナーとしてしっかり連携

産業廃棄物処理業者とパートナーとしてしっかり連携

愛知県の産業廃棄物処理業者による廃棄食品横流し事件

今年1月、愛知県の産業廃棄物処理業者による廃棄食品の横流し事件が発覚しました。横流しを行った産業廃棄物処理業者は事実上倒産のため、3月から始まっている排出事業者による自主撤去により、愛知県内にある8981m3もの廃棄食品の全量撤去に向かっています。また、愛知県は事務管理として排出事業者の特定できない廃棄物を撤去する計画をし、6月8日に撤去を開始しました。

横流し事件に巻き込まれないためには、どうすればいいのか。今回、7月21日(木)静岡県男女共同参画センター「あざれあ」にて公益社団法人静岡県産業廃棄物協会様主催の「食品廃棄物の適正処理に係る研修会」が開催されました。そこで、「産業廃棄物リスクマネジメント」について講演されたはごろもフーズ株式会社の西林様にお話を伺いました。

横流し事件が生じた問題点
[1] 廃棄物処理業者の透明性と信頼性
  • マニフェストの虚偽報告の疑い
  • 委託した処理契約に反して、廃棄物を食品として転売した疑い
  • 行政による廃棄物処理業者への監視体制がゆるい
[2] 食品関係事業者による食品の取り扱い
  • 食品として転売できる状態で処理委託
  • 適正に処理ができる料金を確保できていない

……など

適正に処分ができる料金が確保できていないというのはどこで判断できるのでしょうか。

たとえば…

かつ丼が以下の価格で販売されていたらどうでしょうか。定価800円のかつ丼が特別価格で500円です。あまり気にせず、安いので、食いついてしまう人も多いかと思います。

通常価格800円が特別価格500円・しかしそれがなんと100円!

とあまりにも安くなっていたらどうでしょうか?多くの人はなぜ安いのか、疑問を持つのではないでしょうか。

なぜ排出事業者は、疑いもなく飛びついたのでしょうか。

  1. 廃棄物処理業者の業務を深く理解していない
  2. 廃棄物処理業者は儲けていると思っている

廃棄物を処分をするのには、当たり前にコストがかかります。しかし、正当なコストを受け止められず、安ければいいと飛びつく企業も多くあるのが現実です。安いのには何らかの理由があると疑う必要があります。これらの原因として、廃棄物事業者及び、廃棄物の排出についての知識が浅く、任せっきりな状態にしてしまっている点が挙げられます。

食品廃棄物の不適切な処分を起こさないためには

はごろもフーズ様の心掛け

適正な処分を行うためには、排出事業者が自らの立ち位置が本当に正しいのか、客観的に見ていく必要があります。法に則って適切に方向転換が出来るように、常に正直に行政などと相談することが大事です。

[1] 業者との連携
  • 行政よりもいち早く情報を入手
  • 県条例視察で現場確認
  • 収集運搬業者との連携・情報交換
  • 重要な産業廃棄物の収集・運搬、処分は複数企業と契約
[2] 行政との連携
  • 不明なことは率直に行政の担当部署、責任者に問い合わせる
  • 必要に応じて情報提供する
  • 法令改正などの勉強会に出席
[3] 協会との連携
  • 静岡県産業廃棄物協会との連携
  • 情報提供を要請
  • 必要に応じて情報提供する

そして一番大切なことは、法令遵守です。

  1. 社会全体が何を目指しているのか、自分の会社を知る
  2. 法を学ぶ
  3. 実践する
  4. 疑う余地はないか
  5. 自ら納得する

手間と費用はかかりますが、正しく行動するためには、社会的責任のある食品排出事業者として、法令遵守で製造・販売・管理を行うことです。リスクを預かってもらう意識を持ち、産業廃棄物処理業者と同等な立場、パートナーとして連携していく必要があります。

この様に、食品を廃棄処分するにあたって、心掛けることは多くあるようで、実にシンプルで当たり前のことです。今回は、はごろもフーズ西林様による食品廃棄物の不適切処分を起こさないための心掛けを載せさせて頂きましたが、排出事業者によって、それぞれ見合った対策を行っています。

はごろもフーズ株式会社様

大手食品メーカー

本社

静岡県静岡市清水区島崎町151

創業

昭和6年5月25日

事業内容

各種缶詰、パスタ、削りぶし等1,000種類以上の食品を製造、販売。代表的な製品「シーチキン」「サラスパ」「パパッとライス」など

※「シーチキン」「サラスパ」「パパッとライス」は、はごろもフーズの登録商標です。

西林様の講演はわかりやすく、産業廃棄物処理業者がなぜ横流しをしてしまったのか、なぜ排出事業者が違法な処分業者に委託してしまったのかなど大元の原因をしっかり追及されていました。この様な研修会が開催されることで、考えの及ばなかった、ためになる知識を得て自分の会社の今の立ち位置の確認や産業廃棄物処理業者への理解も深めて頂きたいですね。