食品廃棄物のリサイクル~食品廃棄物の徹底した管理体制~

破砕機

食品廃棄物横流し事件が起きてから、早1年が経とうとしています。排出事業者にとって食品廃棄物の行方については大変気になることかと思います。食品廃棄物はどのようにリサイクルされ、どのような管理体制を整えられているのでしょうか。今回は、食品廃棄物の徹底した管理体制を整え、国内の食の循環も支える食品廃棄物処理業者の株式会社ワールド・クリーン様を訪問いたしました!総務課長・工場長の藤本和也様にお話しを伺いました。

国内で平成25年度には、1927万トンの食品廃棄物が食品関連事業者様から発生し、このうち、製品廃棄等でまだ食べられるのに廃棄されてしまう「食品ロス」の量は、年間約330万トン(国民1人1日当たりおおよそ茶碗1杯分のご飯の量に相当)になります。

食品リサイクル法では、「食品ロス」の

  1. 発生を抑制したり、減量したりするなど最終処分量を減少
  2. 飼料や肥料等への利用、熱回収等の再生利用

についての基本方針を定め、食品関連事業者による取組を促進しています。

食品リサイクル手法の飼料化については、食品循環が有する豊富な栄養価を最も有効に活用できることや飼料自給率の向上にも寄与することから、優先される再生利用方法です。次に肥料化となっております。

飼料・肥料市場

日本の飼料自給率は27%程(平成27年)であり、肥料においては自給困難な状態で、どちらもほとんどは海外に依存しています。しかし、世界の飼料・肥料穀物需給動向をみると、人口増加や中国・インドなど新興国の食糧の消費パターンの変化等により、食糧生産に欠かせない飼料や肥料需要は右肩上がりで増えていくと予想されます。今後飼料の高騰や不足が進むと考えられ、国内のリサイクル飼肥料を活用促進することが求められています。海外からの依存を減らし、飼料・肥料価格を抑制することは、結果として、国内の飼料・肥料市場の安定推移に繋げることが出来るのです。

飼料、リサイクルフロー図

株式会社ワールド・クリーン様の管理体制!

  1. 飼料化リサイクル~飼料と肥料化のものは、どう分けられるのか?~
  2. 現在ワールド・クリーン様で受け入れた食品廃棄物は、飼料化されるものと肥料化されるものに分かれています。飼料化できないものが肥料化されています。飼料化されるものは、豚のえさとなるため、品質が求められています。塩分や油分が高いものは飼料に向きません。飼料にできるものは、養豚場との契約の中で明確に分けられています。また、それだけでなく、飼料になったものは豚を育てて、最後には、人の口に入るものになります。だからこそ、自分が口にできないようなものは、飼料として出荷しないと藤本工場長は語っていました。食品廃棄物を扱うからこそ、腐敗は大きな問題だと考えられます。臭気の問題を含め、大型の冷蔵庫施設を設け、腐敗の早いものについては、冷蔵庫に保管しています。

    冷蔵庫保管中の処理品

  3. 臭気対策
  4. 臭いの発生しやすい食品を扱っているため、食品は工場内や冷蔵庫に保管したり、工場内に消臭剤を噴霧するなど、消臭対策を行っています。そのため、工場内外においても臭気が気になりません。掃除は毎日行い、週に一度、防虫作業をするなど徹底して行い、社員に対しても日頃場内を清潔に保つ意識掛けを行っております。視察に来られる方には来るたびによくなっているとお言葉を頂けるそうです。

    消臭機

  5. 廃棄物の管理
  6. 搬入された廃棄物には、それぞれバーコード付きの管理票を貼り付けています。処分された廃棄物のバーコードを読み取ることで処分の完了を確認し、搬入された廃棄物が処理前での持ち出しがされていないか、適正処分を確認することができるシステムを構築しています。このシステムがあることで、いつ・どこのラインから・どのような廃棄物が・どの程度処分されたかがデータベースに記録されます。廃棄物の見える化を促進し、お客様に安心して任せて頂ける体制を整えています。

    会社概要
    設立

    平成4年4月

    代表取締役

    長尾 秀義

    資本金

    1,000万円

    従業員

    25名

    事業内容

    産業廃棄物中間処理
    産業廃棄物収集運搬
    産業廃棄物の再生
    飼料販売
    上記に付帯する業務一切

    飛鳥リサイクルセンター外観

    株式会社ワールド・クリーン様は、ほとんど臭気がなく、場内も綺麗に保たれていました。人が食べられなくなったものが、豚等のエサにリサイクルされ、農業ないしは、日本の食の未来を支えることに繋がっており、大変奥深い事業だと感じました。食品ロスだからといって雑に扱うのではなく、人々の口に運べる安心できるものか判断されたり、徹底して人の手で中身と外を分けられたりしていると知り、感謝の気持ちが込み上げてきました。多くの方の努力のおかげでおいしいお肉が食べられるのだと感じられる一日でした。