”環境にやさしく災害に強いまち・むら”をつくる

題名


震災の影響を受け、国内のエネルギー事情は一変し、現在では地域のバイオマスを活用した自立・分散型のエネルギー供給体制の強化が重要な課題となっています。そのため、内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省(関係7府省)は連携して、バイオマス産業都市の構築を推進しています。再生可能な生物由来の有機物であるバイオマスを活用したまちづくりとはどのようなものなのでしょうか。



豊富な再生可能エネルギーを活用するバイオマス産業都市

全国の農村部・都市部の各地域において、豊富なバイオマス資源が存在します。間伐材等の木質物、食品廃棄物、下水汚泥、家畜排泄物などです。これら、地域のバイオマスを活用し、産業の創出や地域循環の再生エネルギーとして利用し、その取組により雇用を増やし地域の活性化につなげていくことを狙い、バイオマス産業都市構想が始まりました。地域に存在するバイオマスを原料に、収集・運搬、製造、利用までを経済性が確保された一貫のシステムとして構築し、地域の特色を活かしたバイオマス産業を発展させ、環境にやさしく災害に強いまち・むらづくりを目指すバイオマス産業都市。
平成25年に始まったこのプロジェクト、現在では50の地域がバイオマス産業都市に選定されています。平成28年度だけでも16の地域が選定されました。

実現可能なリアルな構想の都市が選定される

バイオマス産業都市になろうとしてすぐになれるものではありません。その構想が、関係7府省の共同選定を通ることで初めてなることができます。どのような構想の都市が選定されるのでしょうか。
それは4つのポイント「①先導性②実現可能性③地域波及効果④実施体制」を総合的に評価しています。①先導性は、全国のモデルになるような取り組みであるか。②実現可能性は、地域のバイオマスを活用し経済性が確保された一貫システムの構築が見込まれるか。③地域波及効果は、地域のバイオマス利用促進や産業・雇用の創出などの地域波及効果が高いか。④実施体制は、バイオマス産業都市構想の具体化、評価等を適格に実施する体制ができているか。選定する構想が絵に描いた餅というわけにはいきません。

一番の得られるメリットは関係府省からの支援

バイオマス産業都市に選定された地域に対しては、構想実現に向けて、その内容に応じ、関係府省の施策の活用、各種制度・規制面での相談・助言など、関係府省が連携して支援を行います。施策や各種制度の例として、経済産業省の「再生可能エネルギー熱利用加速化支援対策費補助金」や農林水産省の「森林・林業生産基盤づくり交付金」、関連税制として「農林漁業バイオ燃料法に基づく固定資産税の軽減」などがあります。地域だけで、バイオマス産業の促進は困難であり、国からの支援が大切な要素となっています。

地域の特色を活かしたバイオマス産業都市

上表は平成28年度に選定されたバイオマス産業都市の一覧になります。それぞれの地域の特色が出ているのがわかりますでしょうか。山林が多い地域ではやはり、間伐材等の木質バイオマスの活用が構想としてあげられていますが、その活用方法は様々です。例えば山形県最上町では間伐材を医療・福祉施設等に供給する地域熱供給システムに利用するとしています。一方岡山県津山市では、熱利用もありますが、マテリアル利用としてウッドプラスチック製品の製造やエコ断熱材の製造等を構想しているようです。間伐材一つとっても、地域によってその活用方法が違うのがわかります。
自分たちの地域で発生するバイオマス原料。廃棄物由来であったり、間伐材等の未利用不要物であったり、実際に地域から発生するものが原料となります。それを地域で活用するということは、そこに需要があるものでなくてはなりません。「経済性が確保された一貫のシステム」というのは簡単ではないでしょう。バイオマスの活用も、利益を生むものでなくては、地域の活性化にはつながりません。バイオマス産業都市構想の実現に向け、選定された都市はここからがスタートになります。早期の実現が期待されます。

平成28年度選定地域の構想概要一覧

2016年度に選定されたバイオマス産業都市から、次ページより”静岡掛川市バイオマス産業都市構想”に迫ってみます!