静岡ガス株式会社による静岡県初のオンサイト型水素ステーションに迫る

題名

本年3月、静岡市駿河区曲金に静岡ガスが建設を進めていた静岡県内初のオンサイト式の水素ステーション「水素ステーション静岡」がオープンしました。全面道路は国道一号線と平行して走る幹線道路で、東名高速道路からのアクセスもよく、比較的近くにFCVの販売や整備を担う自動車販売店があり、FCV普及のためには非常に良い立地にあります。今回はその水素ステーションとはいったいどのようなものか、真相に迫ります。

静岡ガス株式会社鈴木さん/上木さん

Qなぜ静岡ガスが水素ステーションを開設されたのか?

上木:FCVは、走行時に大気汚染物質もCO₂も排出しない「究極のエコカー」と呼ばれ、今後の普及拡大が期待されているとともに、FCVに水素を充填する水素ステーションの整備も急がれています。そこで、静岡ガスは、静岡県における水素社会実現の第一歩と捉え、「水素ステーション静岡」を開設することとしました。

Q水素ステーション静岡の仕組みは?

上木:静岡ガスが取り扱っている都市ガス(主成分:メタン)から水素製造装置によって水素を取り出しています。製造された水素は圧縮機により、圧縮し、蓄圧器に貯蔵されます。蓄圧器とFCVの圧力差により、水素がFCVへと充填される仕組みとなっています。FCVに水素が充填される際、急激に圧力が上がり、温度が急上昇します。そのため、充填の際には水素の温度を-40℃まで冷却し、FCV充填時に安全な温度が保たれるような仕組みとなっています。

Q水素ステーション静岡の特徴は?

鈴木:当ステーションの特徴の1つめは、定置式のオンサイトというところです。ガソリンスタンドのように他から水素を持ってくるオフサイト型ではなく、ステーション内で水素を製造します。2つめに、燃料電池バスが利用できる広い敷地であることです。3つめは、中間圧蓄圧器によって、水素を蓄圧器に貯める事により、水素製造装置をなるべく動かさない仕組みになっているところです。蓄圧器による加圧を繰り返すことで効率的な利用ができます。4つめは、パナソニック株式会社の純水素燃料電池により事務所内に電力を供給していることです。5つめには、スズキ株式会社が開発した燃料電池バイクへの水素充填にも対応していることです。バイクの充填には、70MPaの装置でしか対応できませんが、当ステーションでは、82MPaのものを調整して充填を可能にしています。

Qどのような安全対策を取っているのか

上木:水素は、水素脆化と呼ばれる鋼を脆くする性質をもっていますので、それを防ぐため特殊な鋼材を使用し溶接を数多く施しています。さらに万一に備えた検知器の複数装置や、水素が滞留しない構造等2重、3重の安全対策をとっています。

Qこれからの展望は?

鈴木:現在、静岡県内のFCV台数は40台程度です。FCVを納車するにあたっても、2~3年と長い期間を要していましたが、現在ではこのステーションができたことにより半年程度と短くなっています。今後は更にFCVの使用者が増え、水素ステーションも更に増えることを望んでいます。そのためには、FCVや水素ステーションについてより多くの人に知ってもらう事が必要になります。

上木:また、燃料電池バスが利用できる広い敷地であることから、燃料電池バスの普及も進んで欲しいと考えております。その他にも、自動車に限らず、水素ステーションで精製した水素により近隣の住宅や災害の際に体育館などに電気を供給できるようになればと考えております。このステーションでも利益が出せるようにしていきたいですね。
当社および静岡ガスグループは、水素エネルギーの普及を通して、今後も地域社会の発展に寄与するとともに、低炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。

水素ステーション設備


静岡ガス株式会社


(取材者:平成28年入社 総務部広報担当 日高)