アカウミガメの保護活動と亀バックホームスクラム大作戦!

亀バックホームスクラム大作戦!

御前崎市は、日本の北限のウミガメ産卵地として、アカウミガメとともに国の天然記念物に指定されています。しかし、アカウミガメは国際的な絶滅危惧種として生息数は減少しています。アカウミガメを保護するために私たちに出来ることとは何なのでしょうか。

御前崎市ウミガメ保護監視員 髙田正義さん

Qアカウミガメとは?

髙田:アカウミガメは、静岡県内では、遠州灘海岸から御前崎に掛けて大体5月下旬から7月までの産卵期で上陸を始め、産卵をします。ふ化する適温としては、25度~27度であり、猛暑の夏場はほとんどふ化しません。

アカウミガメの産卵の様子

Q御前崎市ウミガメ保護監視員とは?

髙田:御前崎市では、ウミガメ保護監視員8名を委嘱し、ウミガメの保護活動に力を入れています。私どもは、ふ化できない卵を守るために毎年アカウミガメの産卵期に合わせて監視を始めます。今年は5月15日から朝4時前後に海岸を見回り、見つかった卵は全て採取して御前崎にある「アカウミガメふ化場」に持って行き、管理をします。そして、80日前後で孵化した子亀は夜中に海に放流しています。 昨年、御前崎海岸へ上陸したアカウミガメは183頭であり、産卵頭数は86頭。そして、産卵個数は9,160個でした。その内、ふ化した数はおよそ半分の4,430頭です。一昨年は例年より、極端に少なかったのですが、その理由はまだわかっていません。ふ化できなかった子亀においては、毎年子亀供養祭を行っています。今年は半分以上がふ化できるように努めたいです。

Qアカウミガメはなぜ減少していると考えられますか?

髙田:アカウミガメが減少する原因として、1つ目には、アカウミガメが高確率で産卵に来る海岸に津波対策によって岩場が設けられていることが挙げられます。これにより、砂浜まで上陸出来ず、産卵に来る数が減少しています。 2つ目は、磯焼けです。海藻が腐食することで、ウミガメの好物であるエビやアワビなどの甲殻類の採餌が困難になっています。 3つ目は、ふ化した子亀が花火など海より明るい光や海岸に落ちているごみに迷い込み、海に辿り着けないことが挙げられます。ごみは台風や大雨により、沖に多く上げられています。

Qこれらの問題にどう対処していますか?

髙田:アカウミガメが産卵で海岸に上陸する前に海岸の清掃活動を行います。 年に一度、御前崎中学校主催で御前崎市御前崎の海岸を清掃する「亀バックホームスクラム大作戦」が行われます。今年は4月28日に私どもや静岡県産業廃棄物処理協同組合、産業廃棄物処理業者などの他に御前崎小学校、白羽小学校が初めて参加し、約1,000人で清掃を行いました。参加者は協力して流木やプラスチックなどのごみを選別しながら拾った後、産業廃棄物処理業者によって運搬、処分を行います。この活動は、海岸清掃を通して、アカウミガメの生息環境を改善し、地域の自然を大切にする態度を養うとともに、活動を通して仲間との親睦を深めることを目的としています。

Q海岸のごみは増えていますか?

髙田:私は、戦後のときからこの海岸を知っています。昔はガスがなかったことから海岸の流木を家で燃料として使用しており、流木はほとんど見られませんでした。そしてごみについても今より少なかったです。それでも最近では、お店などでレジ袋の有料化や代替の袋を販売するようになったことで、海岸で見かける袋のごみが急激に減り、一番海岸のごみで多いペットボトルについても3分の1に減っています。 戦後は食糧も少なく、亀を口にしたこともありました。その分、亀も身近に感じられますし、自分も亀の助けになりたい気持ちがあります。

(取材者:平成28年入社 総務部広報担当 日高)