絶滅の恐れのあるウナギ

ウナギ

二ホンウナギは絶滅危惧種に指定され、今後規制対象となり、シラスウナギ(ウナギの稚魚)も製品も輸出入が難化し、日本の食卓にも大きな影響が出る可能性があります。ウナギとはどのような生物でどのような現状があるのかについて迫ります。


ニホンウナギとは?

世界各地に19種類のウナギが確認されています。そのうち、日本で流通しているウナギはニホンウナギを含めヨーロッパウナギ、アメリカウナギ、ビカ―ラウナギの4種。いずれも絶滅危惧種に指定されています。
 ニホンウナギは、5~15年間、河川や河口域で生活した後、海へ下り、日本から約2,000Km離れたマリアナ諸島付近の海域で産卵します。産卵場が特定されたのは、平成23年2月であり、依然として生態に不明な点が多くあります。ウナギは甲殻類や小魚を食べるなど食物連鎖における上位に位置します。日本在来の魚食魚の種類は少ないので、ウナギは水域生態系において重要な機能を持つ鍵となる生物ではないかと考えられています。


ニホンウナギの今後

国際自然保護連合(IUCN)は2014年6月、ニホンウナギを絶滅危惧1B類として「レッドリスト(正式名称:絶滅のおそれのある種のレッドリスト」に掲載しました。(※図1)レッドリストに法的な拘束力はありませんが、希少な野生動植物の国際取引を規制する「ワシントン条約締約国際会議」で、参考にされる可能性が高いです。2019年のワシントン条約締約国会議では、日本で大量に消費されているニホンウナギが規制対象となる懸念されています。ニホンウナギの大半は、天然のシラスウナギを採捕して育てたものであり、ワシントン条約の規制対象となれば、稚魚も製品も輸出入が難しくなり、日本の食卓に影響が出ます。

ニホンウナギの採捕量

冬季に日本各地の河口域に入ってきたシラスウナギはシラス漁業により採取されます。シラスウナギの採捕量は、平成22年漁期~平成24年漁期の3漁期連続して不漁となり、池入れ量が大きく減少しました。平成26年漁期の漁模様がやや良好でありましたが、ニホンウナギの資源が回復したと判断すべきではなく、引き続き、資源管理や生息環境の改善の取組を進めることが必要です。シラスウナギの国内採捕量には年変動があり、不足は輸入で補っています。平成24年漁期及び平成25年漁期はニホンを含む東アジア全域でシラスウナギの採捕量が減少したため、池入数量が大幅に減少し、取引価格は高騰しました。(※図2)
 このようなことから、今後ともニホンウナギを利用する日本、中国、韓国、台湾間で取り決めた池入れ量の制限を適切に実施するとともに、シラスウナギ採捕、ウナギ漁業についても、資源管理の対策が一層進むよう対応を推進しています。

ウナギの減少の原因

ウナギの減少要因として、海洋環境の変動、ウナギやシラスウナギの過剰な採捕、生息環境の悪化が指摘されています。また、河川では流路を遮断する河口堰やダムなどの人工構造物が設置されるとウナギの移動ができなくなります。このような場所では水質が悪化し、餌生物が減少することも指摘されています。

ウナギの資源管理

ウナギについては、生態に不明な点が多いものの、減少要因を改善するために実行可能な対策を総合的に実施されています。
 シラスウナギは、どこで誰が採捕し、それが誰に売られたとしても、最終的には全て養鰻業者の養殖池に入れられます。このため、養鰻業者の池入数量をしっかりと管理することによって、ニホンウナギの資源管理をしています。一方、採捕許可を出したり、出荷先の制限をしたりしている都道府県知事としては、採捕量や採捕から池入れまでの流通の状況を正しく把握する努力が求められるところです。
 このため、水産庁では、平成28年秋から都道府県知事によるシラスウナギの特別採捕許可において、
【1】密漁対策を含めた現場での監視や確認の強化のための写真付き証明書の発行、ワッペンや帽子等の着用の義務化
【2】適切な採捕数量の報告を徹底させるための許可取り消し等の未報告者への処分の強化
などの対策を講じるよう都道府県に助言しています。

 河川と湖沼におけるウナギ採捕量は40年間にわたりいずれも減少を続けています。ウナギの生息数の動向が採捕量に正確に反映されるかどうかは分かりません。しかし、ウナギ漁業の実態や天然ウナギが高価であることなどを考慮すると、採捕量と同じく生息数も減少傾向にあるのではないかと考えられます。

国際自然保護連合レッドリストの分類とシラスウナギ採捕量の推移

ウナギの名産地である静岡県でのウナギの現状や問題にはどのようなことがあるのでしょうか。特集2で「静岡うなぎ漁業協同組合」様に取材してまいりました。