バーチャルパワープラントで電力を節約

VPP

電力自由化や電力システム改革が進み、IoTが進化してきていることでバーチャルパワープラント(VPP)を実現できる環境が整いつつあります。今回は注目が高まっているVPPについて特集してまいります。

IoTとは?

 IoTとは、様々な物がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みです。(※図1)
IoTが進化することで、家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム(HEMS)やビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)や、蓄電池の郡制御、自動制御などが可能になり、地域でエネルギーを有効活用する次世代の社会システム「スマートコミュニティ」の実現につながります。

バーチャルパワープラント(VPP)とは?

 

 多数の小規模な発電所や、電力の需要抑制システムをIoTにより一つの発電所のようにまとめて制御を行うことです。(※図2)「火葬発電所」や英語の頭文字を取って、「VPP]と呼ばれます。電力の自由化、そして電力分散化が進むヨーロッパを中心に、VPP事業を行う会社が立ち上がってきています。
以下3つの各取組を情報・通信技術を駆使したエネルギーマネジメント技術により統合制御します。
【1】再生可能エネルギー発電設備などの「創エネ」
【2】蓄電池等の「蓄エネ」
【3】デマンドレスポンス等需要家側の「省エネ」

VPPのメリット

一つ一つは小規模な発電施設や制御システムでも、それらを最新のIT技術によって連動させることで、電力網の需要バランスを最適化できます。大規模な発電施設に投資する必要がなく、建設が安く済み、整備も比較的簡単な小規模の発電施設を効率的に利用できるため、経済的です。
また、多くの発電量を一つの大きな発電所に頼っていると事故が起きたときに電気の供給が途絶えるなど被害が及びますが、電力を分散化することによって被害も減ります。
 さらに、VPPが活用できるのは、小規模の発電施設だけではなく、電力の抑制システムにも該当します。たとえば、ある時間帯に電力の需要が一気に増え、10万kWhの電力が不足したとします。その場合、電力会社では、臨時である発電所を稼働させてその電力を埋め合わせるのが一般的です。しかし、VPPを活用できれば、その時間帯に電気を節約できる家庭や企業などから少しずつネガワット(企業や家庭が節電することにより生み出された電力)を回収し、それを不足した10万kWhの電力に充てられます。そして、電力会社は一時的な電力需要を満たすための予備の発電施設を持たなくていいことになり、建設費や整備費を抑えられます。ネガワット取引は節電した分、報酬が支払われるため企業や家庭にもメリットがあります。
 VPPによって、系統電力への負担を軽減させ、再生エネルギーの導入の拡大を容易にします。そうするとCO2の削減など環境への負担を軽減させ、電力の安定供給の確保を実現ができます。
VPPには、

    • 再生可能エネルギーの導入拡大
    • 更なる省エネルギー
    • 負荷平準化

が進むというメリットがあるのです。

VPPを活用した今後の展開

 IoT、ビッグデータ、AI、ロボットの技術は、全ての産業において、新たな変化をもたらす共通の基盤となる技術です。各分野における技術革新・製品やサービスに関する事業戦略と結びつくことで、全く新たな展開となっていくことでしょう。また、エネルギー資源問題からの解放や環境問題の解決など、それら技術革新により大きな変化が起こる可能性もあります。さらに、家庭内機器のIoTの進化により、電力使用量を見える化し、負荷の制御をきめ細かく行うことで、電力消費量の最適化を実現できます。それにより総合的なエネルギー需給管理を行う「スマートコミュニティ」が実現できるのです。

IoTサイクルの基本的なビジネス、VPPのイメージ図

静岡県では、民間と協力して独自の「ふじのくにバーチャルパワープラント」の構築を進めています。ふじのくにバーチャルパワープラントにはどのような特徴があり、今後静岡にどのような効果をもたらすのでしょうか。特集2で静岡県に取材してまいりました。