静岡県によるエネルギーの地産地消を推進し、地域経済を活性化する取組

富士山

静岡独自のVPPの構築のために静岡県が動き出しています。静岡県ではどのような特徴のVPP構築を目指しているのでしょうか。


静岡県経済産業部産業革新局エネルギー政策課長黒田健嗣さん


QふじのくにVPPとは?

黒田:静岡県では「エネルギーの地産地消」を「地域経済の活性化」にどう結び付けていくかをエネルギー総合戦略として策定しています。その中の戦略
①「創エネ」分散型エネルギーの導入拡大
②「省エネ」色んな省エネに取り組む
③「経済活性化」地域企業さんによるエネルギー関連産業への参入促進
この三つを柱にした計画の一つにふじのくにVPPの構築が位置づけられています。 現在、県内で必要な電力は県内で20%しか作られていません。そのため、県外から8割も電気をもらっています。太陽光発電などの出力を安定させられるようにVPPを導入し、再生可能エネルギーの導入拡大を目指しています。
また、災害時に大きな発電所が止まり、すべての電気が止まるのを防ぐため、再生可能エネルギーを中心にリスク分散した小規模分散型のものを作っていくことを目指しています。

QふじのくにVPPの仕組みは?

黒田:アグリゲーター(集める人)が発電設備や需要家が今どれだけ電気を発電し、使用しているかという情報をリアルタイムで収集し、抑えるべきところ、上げるべきところの指令を出し、IoTの技術で遠隔操作をしてコントロールします。電気を作る方と使う方で上手く蓄電池を組み合わせ、双方で電力を安定化させます。例えば、太陽光発電設備がたくさん発電している時には、蓄電池に貯め、足りなくなった時には蓄電池から取り出します。新電力への移行を契機に「スマートメーター」という今の電気の使用量がインターネット経由で情報として吸い上げられる機械が広まっています。これが現実となり、その仕組みが出来るようになっています。また、蓄電池自体も外からの指令で操作できる技術ができてきています。

QふじのくにVPPとは?

黒田:電気の基本料金はピーク時の電気使用量と全体の電気使用量によってランクが決まります。そのため、ピーク時に電力会社から電気を買わずに蓄電池に貯めておいたものを使用すれば、電気を買う必要が無くなり、ピーク時の電力量を削減できます。結果、電気代の基本料金を減らせ、無駄な電気の使用を減らす指示も受けるため節電にもなります。
再生可能エネルギー発電事業者や電気を売っている小売電気事業者も蓄電池に電気を貯めておけるため、太陽光発電などの電源の安定化によって電気の受け入れを制限されることがなく、想定していた電力の調達が可能になります。また、ピーク時に稼働しなければならない火力発電所のような予備の発電設備を所有するのに費用がかかりますが、再生可能エネルギーで調整すれば、供給コストの低減にもなります。
更に、新しいシステムのために色んな製品、技術の使用により機器メーカーや工事業者も仕事が増え、地域事業者の雇用創出にも繋がります。色んな人にメリットがあるのです。

Q今後の動きは?

黒田:9月末に「ふじのくにバーチャルパワープラント構築協議会」を立ち上げ、一回目の会合を行いました。そのメンバーとして、有識者や県内の23市町、中部電力などの関連事業者などに入ってい頂いています。今年、協議会の検討と合わせて、県内にどういう設備がどこにあり、そこで電気使用量の時刻変動をデータで集め、どのような仕組でコントロールすると効果が大きいかを調査します。また、どの様なところに設備を設けられるのか、継続でき、事業性があるかについても調査します。
来年度以降には実証し、将来的に一つの事業として一人立ちして動いていき、一般家庭でも使えるようにしていきたいです。
近い将来必ず、VPPが有効に動いていかなければこれ以上再生可能エネルギーを導入するのが難しくなります。自分たちでどうやって上手にエネルギー作り、使用するのか主体となって考える必要があります。その中でも蓄電池は必要なパーツです。VPPにより他の自治体にある再生可能エネルギーを使用できるように連携ができます。VPPは、環境の事を考えて、火力発電を減らし、再生可能エネルギーを増やしていけるようになるのです。

(敬称略)

県内の電力自給率、ふじのくにバーチャルパワープラント、第1回「ふじのくにバーチャルパワープラント構築協議会」の様子

(取材者:平成28年入社 総務部 広報担当 日高)