南海トラフ地震の新しい防災対応

災害対策本部

静岡県危機管理部 危機政策課 主幹兼副班長 板坂孝司様


Q静岡県危機管理部とは?

板坂:県の防災・危機管理を担当しています。主に地震、火山対策ですが、国民保護事案えば北朝鮮のミサイル問題)等の対応もしています。(例えば北朝鮮のミサイル問題)等の対応もしています。

Qなぜ地震の予知をしないのか?

板坂:東海地震は震源域が静岡県の下に広がっているため、地上で地震の発生につながる地盤の変動状況を調べることで、予知が可能と考えられていました。しかし、近年の研究で確度の高い地震予知は困難とされ、地震予知情報に基づいて警戒宣言を出すことはなくなりました。しかし、予知は困難でも、地震の発生につながる何かしらの異常が観測できた場合にはその情報を出すことによって、安全性を確保できるように、気象庁は平成29年11月1日より「南海トラフ地震に関連する情報」を発信することになりました。予知に関する情報は出なくなりしたが、観測・調査は続けられています。

Q南海トラフ地震に関連する情報が出るときとは?

板坂:南海トラフ地震に関連する情報の発表は、南海トラフ沿いで異常な現象が発生した時は、南海トラフ沿いで異常な現象が発生した時(図1)に気象庁からされます。南海トラフ沿いの異常な現象の例としては、次の3つが示されています。

1.南海トラフの西側で大規模な地震が発生したとき
 これは、西側で地震が起きた場合には、東側の静岡の方でも連動して地震がおきる可能性があると考えているからです。

2. M8~M9クラスの地震と比べて一回り小さい規模(M7クラス)の地震が発生したとき一回り規模の小さい地震が大きい地震を誘発することがありうると考えられています。

3.東海地震の判定基準とされるようなプレート境界面でのすべりが発生した時
地下に設置してある「ひずみ計」が地下の力の加わり方に異常な状態を読み取った場合です。

 異常な現象を観測したとき、気象庁は国内の地震研究者等による南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を開催します。各地に設置されている観測装置のデータをみながら南海トラフでの地震発生との関連性を検討します。大規模な地震発生の可能性が平常時より相対的に高まったと評価した場合にみなさんに警戒を呼びかけます。警戒宣言では、数時間から数日のうちに東海地震が発生するとされ、学校を休校にしたり、電車を止めたりすることにしていましたが、それ以上の期間となると社会や経済に大きく支障がでます。南海トラフ地震に関連する情報は、確実なものではなく、長期化することがありうるため、そのような対応は困難です。

 例えば、企業のサプライチェーンを考えると元請さんの要望は断れず、工場や機械など止められない事情もあるでしょう。企業ごとにどの程度の耐震性があって、どのような対応だったら耐えられるかということを、みんなで相談して考えることができるようにしたいです。

 そのためには住民、企業、福祉施設、病院等から幅広く意見を収集しなければなりません。モデル地区である静岡県は地震が起こる前にどのくらいの期間であれば不便な生活を耐えられるかを話し合い、対策をまとめ、他の自治体や企業さんが、自分たちがどういう対応ができるかを考えるための参考になるものを作っていきます。

Qわたしたちが取るべき地震対策は?

板坂:地震発生の可能性が高まったと評価された情報が出たときは、いつ地震が起きてもすぐに避難できるように避難先や経路を確認したり、家具を固定したり、家族とどのように連絡を取り合うかなどを今一度確認していただきたいです。企業であればどのような対応を地震発生前にとれば、従業員や顧客を安全にできるか、早く復旧できるのか、ダメージを最小限に抑えるようにできるのか検討していただければと思います。
この情報は、普段している防災対策に安全性を上乗せするようなもので、情報が出てきたときに普段の防災対策がちゃんとできているのか再確認するような対策を立てていきたいと考えています。

(敬称略)

南海トラフ地震に関連する情報(臨時に関する基本的な流れ)

(取材者:平成28年入社 総務部 広報担当 日高)