水と電気を 自給自足できるOTSハウス

OTSハウス

 2017年10月に完成した水と電気を完全自給自足する「OTSハウス」とはどのような仕組なのでしょうか。実証実験段階の今、今後の展開も含めお伝えします。

株式会社TOKAIホールディングス経営戦略部長TLC企画推進部長

TOKAIグループとは?

大井:静岡県をはじめとして、LPガス/都市ガス、インターネット、ケーブルテレビ、宅配水、格安モバイルなど、生活に欠かせないインフラサービスを提供しています。

OTSハウスとは?

大井:「OTS」とは、「On the Spot」の頭文字を取った造語です。東日本大震災や熊本地震では、水や電気、都市ガスなどの生活に不可欠なインフラが深刻なダメージを受けました。こうしたインフラは、復旧にも多大な時間がかかります。
 そこから、インフラに頼らない、家一軒だけでも(=on the spot)エネルギー・水を完全に自給自足できる家が実現出来ないか、という観点でプロジェクトを開始しました。このOTSハウスは、その実現性を検証しながら、様々なお客様や取引先様、有識者の皆様にご覧頂くことで意見を集めたり、協同したりすることを目的とした「コンセプトハウス」です。

水の自給自足の仕組みは?

大井:生活水は、「雨水の集水・貯水 + 浄化・循環システム」で自給自足します。雨水を最大1万L貯められるタンクに貯蔵し、浄化装置によってろ過・消毒、上水道レベルまで水質を高めた水をハウス内に供給しています。(※図2)使用した水は、そのまま排水=捨てることなく、RO(逆浸透膜)装置で純水にろ過し、雨水タンクに戻して循環させ、再利用します。通常、4人家族が必要な水の量=新しく補給する必要がある水の量は1日に800~900L程ですが、この循環・再利用する仕組みにより300Lに抑え、雨水だけでも完全に自給自足が出来る仕組みを実証しています。
 現状では、ほとんどの月で自給自足が成り立つと考えていますが、実証の結果も踏まえて、雨水が足りないなどのトラブル等にも十分に対応できる仕組みを作り上げたいと考えています。

電気の自給自足の仕組みは?

大井:電気は、「太陽光発電+エネファーム+蓄電池」で自給自足をします。家の電気の自給自足は既に新築住宅では一般的なキーワードになっていますが、あくまで電力会社と接続し、必要な場合は電力会社から電気を買うことが前提となっています。このOTSハウスでは、電力会社との接続を遮断し、完全に家一軒だけで電気を自給自足する仕組みを検証しています。
 発電・蓄電ともに完全な電気の自給自足を実現出来る製品はもちろんまだ発売されていません。様々なメーカーさんの製品を組み合わせながらマッチングしています。特にエネファームは、発電に特化した「SOFC型」を採用し、安定した電力を供給、またガスもLPガスを利用することで、ボンベ2本で約1ヶ月は稼働できる環境を整えています。
 もちろん家自体にも省エネ、特に冷暖房に必要なエネルギーを減らす設計や様々な設備を導入しています。
 夜間に必要な電力を蓄える蓄電池も、新しい試みとして、中古の電気自動車を安価に購入し、蓄電池代わりにならないかを検証しています。(※図4)

経済メリットは?

大井:電気についてはゼロ、水道料金も上水道は利用しません。ただし、下水には接続しなくてはならないので、基本料金だけは発生します。また、ガスについてはエネファームが常時稼働しているため、料金は高くなりますが、これらを合計すると年間16万円ほどのランニングコスト減を実現出来る見込みです。
 あとは、この家自体のイニシャルコストをいかに抑え、皆様にお届けできるOTSハウスを生み出せるかがこのプロジェクトの最大の宿題です。

 もちろん、全てをパッケ―ジにするのではなく、雨水の利用のみ、あるいは創蓄電や導入した設備の一部分だけなど、お客様のご要望に合わせて、柔軟に提案することも進めて参ります。
 見学は予約制としておりますが、
 ご希望の場合はOTSハウスホームページ
http://ots.tokai.jp/
 からお気軽にお問い合わせください。

水のサイクル


OTSハウスの仕組み

(取材者:平成28年入社 総務部 広報担当 日高)